忍者ブログ
わたくしことkanakanaが、思ったことを書き散らす場です。

FOE

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「塩の街」を読みました。

塩の街―wish on my precious

 先日読んだ図書館シリーズが面白かったので、有川浩の他の著作も読んでみようと思いました。しかしこの人の本は多くがハードカバーで、無職の身にはお高いものでして。
 そんな中、なぜか一作だけ文庫で出ている「塩の街」。これを手始めに読んでみようと、買ったそのレジのすぐ横に、山積みになっている「塩の街」ハードカバー版! なんだこのやろう! 気付かなかった自分が憎い! …その日のうちに文庫版は読破したのですが、悔しかったので翌日すぐにハードカバー版も買ってきてしまいました。結局。

塩の街

 ハードカバーで再版された経緯については、あとがきに詳しいです。「…」はわたしが略した部分。

 …担当さんはこの話をハードカバーで出したかったらしく、…要するに大賞を取っちゃうといろんな大人の都合で文庫にしないわけにはいかないのだそうで。…その後は何の拍子か『空の中』以降のハードカバー路線に叩き込まれたわけなんですが、…

 大人の都合というか、まあ、電撃大賞受賞作なのに電撃文庫から出版されなかったら変なんだろうな。逆に、編集担当者は初めから「この作家は売れる! 売ってみせる!」と確信していた、ということでしょうか。
 なお中身についても、帯にある通り、大幅改稿、番外編短編四篇を加えた、新しいものとなっています。どこが変わったかの詳しい記述もこれまたあとがきにあります。すでに文庫版で読んだ方や、これから初めて読むけどどっちがいいんだろう?な方は、ネタバレ覚悟であとがきをチェックしてみることをおすすめします。

 サクッと感想。わたしはどうも、こういうふうに現実を少しだけずらした、すこしふしぎな作品が好きらしい。前にも述べたけれど、魔法は科学を推し進めたものであるとか、シーナワールドとか。自分の想像力の及ぶ範囲内から範囲外へ広がっていく感じが楽しいのかなあ。
 その特異な設定を抜きにすれば、これはただの恋愛小説だ。普通の恋愛モノには拒否反応を示すところが、どうして有川作品なら感涙してまで読めるのか。誰かを好きになったときの不安を、我がことのように読み取れる文章。説明的でないから素直に読めるんだが、これを「描写がくどい」と評する人がいるのが不思議。

 ところでこれもあとがきからの引用ですが、印象に残った部分があります。文庫版で元原稿が改稿となったことについて、作者の意見が綴られています。

打ち合わせで自分の意見が全部通る訳がないということは当たり前ですので、譲れるところと譲れないところ、駆け引きで使うところは最初からある程度は考えてありました。

 どれを書いてどれを書かないのか、書くとしたらどういう形で書くのか。作品が作品に仕上がるまでには、作家だけではなくいろんな人が周りに関わっている。考えてみれば当たり前なのですが、今日まで恥ずかしながら意識したことがありませんでした。
 作家も商売なのだと失望したのではなく、潔いというかなんというか、わたしなどは、作品が世に出るには作家の努力一つだと考えていたので、眼から鱗が落ちた思いでした。

拍手[0回]

PR

「村田エフェンディ滞土録」を読みました。

村田エフェンディ滞土録

 梨木香歩「村田エフェンディ滞土録」(角川文庫)を読みました。
 一読して謎であるタイトルが好きです。なんだこれ、と興味を惹かれる。この本のタイトルもそうだ。村田、はまあ分かる。恐らく日本人の名字であるところの「村田」なのだろう。だけどエフェンディってなんだ。滞土録、ってなんだ。いかにもファンタジーなこれまでの梨木作品とは、一風変わったタイトル。
 内容についてはここでは詳しく触れませんが、今まで文庫化された作品の集大成という感を受けました。異国、集団生活、一昔前、主人公が男性、乾いた視点。前作の「家守綺譚」がお気に入りの方に読んでいただきたい作品でした。

家守綺譚

拍手[0回]

「村田エフェンディ滞土録」を、読む予定です。

村田エフェンディ滞土録

 数日前に発売になったはずの、梨木香歩のこの新刊。正確に言うと新刊ではなく、単行本の文庫化です。張り切ってあちこちの本屋を探し回っていたのですが、どこにも置いていない。これまでにも何度か、本が発売予定日通りに発売されていない経験があるので、今回もそうなんだろうか。
 明日また本屋行って出てないようだったら、もうこの際だから他にいくつか欲しかったものと合わせて注文しちまうかなあ、そう思ってamazonを眺めていると、重大な思い違いをしていたことに気がついた。それというのも! わたしは、一生懸命に新潮文庫の新刊コーナーを探し回っていたのだ! 本当は角川文庫からの発売でした!
 これまでの梨木さんの文庫本は全て新潮社から発行されているので、今回も当然そうだろうという思い込みでした。これを読んでいるどなたかや将来のわたしがまた同じ過ちを犯さないために記しておく。明日また本屋行ってきます。

拍手[0回]

「新本格魔法少女りすか3」を読みました。

 西尾維新の「新本格魔法少女りすか」3巻。3月に発売になっていたそうですが、ノーチェックでして、今週ようやく買ってきました。1巻・2巻・3巻と、順調に薄くなっているのがなんか笑える。

新本格魔法少女りすか3

 内容的には、りすかがほとんど活躍しないので、あまり楽しめませんでした。
 先日知人と戯言シリーズについて話したばかりなので、読み進める間に強く意識して比較してしまった。登場人物一人一人が特殊能力を持っていて、それをどう活かすか。そういう物語の筋立て方はジョジョに遡れる、というようなことはあちこちでさんざん書かれているのでまあいいや。
 しかし、戯言シリーズにおける特殊能力は、不透明な部分も多くて不親切。あらすじ全体も不透明で不親切。「りすか」はそれが無い。今回も、物語の根幹ワードがはっきりと説明されていたり、どうしてそれを採ってそれは採らないのかという戦法が明確に示されていたり、スカッと読める。

 ああ、こうやって思い返していたら、りすかも1巻から読み直したくなってきたな。魔法ってのは、科学を超進化させたもんである、っていう設定が基本的に好きなのです。古くは、高河ゆん「You're my only shinin' star」のような。

You're my only shinin' star―君はぼくの輝ける星

拍手[0回]

「図書館危機」を読みました。

 さて引き続き、3作目「図書館危機」の感想です。
 この巻から、登場人物紹介とあらすじが付きました。次の巻で終わりなのに。あと、メインの登場人物はあまり多くないし人間関係は分かりやすいので、相関図はいらないんじゃないのと思ったりした。
 そういえば、ラノベとして考えるんであれば、本文内に挿絵が一切ないのはマイナスポイントなのかなあ。ですがわたしはこのシルエットだけの絵が気に入っております。この作品は、文章だけで充分キャラ萌えできるのが素晴らしい。
 amazonのレビューでも書かれていたが、表紙が秀逸だ。実はネタバレというか、ここにあらすじが詰め込まれていたりするのですよね。

図書館危機

拍手[0回]

        
  • 1
  • 2
  • 3