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小学生の頃の話。
合唱クラブで飴を交換するというのが流行っていた。喉を傷めないようにというのは建前で。本当は学校に持ってきちゃいけないはずのお菓子類を、校内で堂々と口にできる。みんなが、ちっちゃな背徳感をひっそり楽しんでいた。
わたしはその交換会に参加したことがなかったのだが、親が「いつももらうばっかりだと申し訳ないから」と、買ってきた飴を一袋持たせてくれた。
一袋まるまる!すげー! クラブは興奮に包まれ、先輩が「いただきますー」と笑顔でもらってくれた。わたしは「まだ食べてないのにいただきますって、変」と言った。それ以降、話しかけてもみんなあまり答えてくれなくなった。
食べ物をもらったときに「いただきます」と言うのが、日本語として正しいお礼の言葉だとは、当時は本当に知らなかった。それにしてもわざわざそんな憎まれ口を叩かなくてもよかったのに。
今にして思うと、みんなに誉められて恥ずかしかったのか。何か言わなきゃならない気がしたのか。「礼には及びませんよ」的な何かを言いたかったのか。
もっと素直になりたいなあというのが、思春期の頃の大きな悩みだったのだけれど、そしてそれは歳を取るにつれ実行できるようになっていったんだけれど、素直さを意識するようになったのはこの出来事がきっかけだったのだろうと思う。