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キットタケナガ「デジタル「写真の学校」」(雷鳥社)を読みました。どうでもいいけど、この、カギカッコが2つ繋がってるのはなんとかならんか。
撮影テクニックなんかは、ネットでがんばって探せばそれなりの情報がいろいろ手に入るだろう、と思っていたのですが。やはり知識は一冊の本にまとまっていたほうが理解しやすいなあと思い直して、購入しました。
2ch情報やamazonのランキングをとっかかりに、店頭で実際に手にとって分かりやすそうだと思ったのがこの本。専門用語も丁寧に解説されているし、あと、装丁と中身がすっきりしていて見やすかったのもよかった。残念ながらこの画像には無いけれど、帯もねえちょっとコレ楽しいよ。ぜひ実物をご覧ください。
わたしが知りたかったのは、主にデジカメの仕組みと撮影技術に絞ったとこらへんでして。他にも初心者向けノウハウ本はたくさん出ていますが、レタッチソフトの簡単な使い方などまで踏み込んでいて、その分、肝心の撮影技法についての内容が薄かったり。この本もレタッチについて全く触れていないわけではありませんが、自分の求める内容が、過不足なく書かれていそうなこの本を選びました。
amazonのレビューでは、「作例の撮影条件が書かれていないのが減点」と書かれていますが、わたしはそれはあまり気にならなかった。その場にいて実際の光景と見比べるのでなければ、撮影設定だけ分かっても無意味なんじゃないかしら?と思ったので。でもこれこそが素人考えなのだろうか、どうだろうか。
実は、どちらを購入しようかと、最後まで迷ったもう一冊がありまして。その名も「ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 デジタルカメラ 撮影編」です。あまりノウハウ本ばかり何冊も持っていても仕方ないかなあと思い、価格も決して安くはないので、先に挙げた本だけを買ったのですが。
でもなあ、こちらもやっぱり買いたいなあ。掲載作品がとても印象的だったし。立ち読みしかしてないけれど、写真を撮る上での心構えというか、そのあたりがきちんと書かれていたのが心に触れたのです。
もののついでに、撮影技術に関して参考になったURLを貼っておく。「PENTAX digiich」内の撮影テクニック通信。
購入したのがPENTAXのカメラなので、こちらを見つけましたが、他にもたくさんいいサイトがあることと思います。「ここが参考になったよ」とか、おすすめサイトをご存知の方はお教えいただけると幸いです。
加藤由子「ネコ好きが気になる50の疑問」(ソフトバンククリエイティブ)という本を読みました。本屋で見かけてパラパラ立ち読みして、なんとなくおもしろそうだな、と思って購入したのですが、これがなかなか当たりだった。
例えば、餌は一日何回どのぐらいの量をあげたらいいのかとか、ネコの飼い方について書かれている本ではありません。例えば、ネコはどうして狭い所が好きなのかとか、ネコの習性について書かれている本です。そういうのって、ネコが好きだったら不思議じゃね? 知りたくね?
残念ながらわたしはネコのスペシャリストではないし、巻末掲載の参考文献をあたったわけでもないので、この本に書かれていることが本当に本当なのかどうかは分からない。でもまあ読み物として面白かったし、文章と挿し絵とがしっくりしているのもすごくよかった。
ネコと仲良くなるためだけではなく、ネコとうまく付き合うために。なるほどなあと思わされることの多い本でした。amazonではチラリと中を読めるようなので、興味を持たれた方はとりあえずそちらをどうぞ。
しつこく盆休み中の話を続ける。お盆は何をしていたかというとこれ、ただひたすらに部屋の片付けに邁進しておったのですね。片付けに邁進するって変な言い回しだな。さておき、春から断続的に継続実行してきたお片付けも残すは本棚の整理だけ。物量的には心が軽いが、本の処分をしようというのは心に重い。
まあ泣く泣く売っ払いまくってきたわけですが。多くはマンガと文芸書の類。しかし、知の技法とかが売れなかったので驚いたよ。古本屋を利用したのは初めてだったんだけれど、引き取ってくれない物もあるんだって。とりあえず教科書はダメなんだそうだ。
バイクで3往復して、計224冊3065円。ワーイこのあぶく銭で焼き肉行こうぜ焼き肉ー。査定の仕組みは詳しく知らないが、煙草ヤニ焼けしまくりだったし、金額的にはそんなもんなんだろうなあと思う。それでもやっぱり1冊5円とか見ると哀しくなりますね。
高校時代に面白く読んでそのまま実家から持ってきて、心がつらいときに読み返す本がけっこうたくさんある。しかし最早部屋の狭さには耐えられない。逆に言えば、部屋さえ狭くなければ、半永久的に手元に置いておきたい本ばかりなんだ。
「美琴姫様騒動始末」も、そうやって長年手元に置いてある一冊。思い出せば、そもそもは表紙買いだったんだよなー、これ。だけど、軽妙な文体がとても気に入って、思いがけずここまで繰り返し読み続ける短編集になった。自分より数歳年上なだけの青年が書いた作品だったというのも、気に入った理由の一つだったように思う。
昔は、表題作の「美琴姫様騒動始末」が一番好きだった。しかし数年前から、3作目の「たぶんしあわせ……」が最も染みる作品だと思うようになってきた。上や下を見て奮起することが嫌いだ、というのは以前にも書いたけれど、「たぶんしあわせ……」では、主人公はそういうふうには生きていかない。自分より上の人間を羨んで「ああいうふうになりたい」と思うことも、自分より下の人間を蔑んで「ああいうふうにはなりたくない」と思うことも、どちらも原動力にはならない。
そこにあるのはただ自分だけだ。
人生に他人が全く介在しないわけじゃない、だが、社会性などとはまた別の問題として、自分の生きる方向を自分で決めること。つらいときでも大丈夫だと思える根拠を自分の中に持つこと。そういう自信を持ちたいなあと高校生のわたしは思っていて、でもすっかりそれを見失ってて、ようやくまた元気を取り戻せた最近になって、偶然のようにこの作品を改めて読めたこと。幸せだよなあ、と思った。次にこの作品を読んで、幸せを感じられるのは、わたしの人生のいったいいつの時点になるだろうか。
作者である結城恭介さんのサイトはこちらです。深夜のお茶会。
先週は、有川浩大人買い週間でした。結局、「図書館シリーズ」・「塩の街」だけでは我慢できず、なけなしのお金をはたいて既刊を全部購入してしまいました。
ところで、有川作品には作品ごとの関連や外伝的要素などが多々あるので、基本的には出版順に読むほうが楽しいと思います。と言いつつわたしは、たまたま先に入手した「レインツリーの国」(新潮社)から読み始めました。出版順で言えば本当は「空の中」「海の底」のほうが先です。しかし近所の本屋には有川作品が置いてなさすぎだった。
この作品は、図書館シリーズ2冊目の「図書館内乱」に関連したものとなっています。2chなどでは、レインツリー→内乱、の順で勧められていることもあるようですね。
「図書館内乱」では、「レインツリーの国」という本を巡って重要なエピソードが繰り広げられるのですが、登場人物が話題にしているその本はいったいどういうものなんだろう?と想像しながら読み進める楽しみがありました。ので、わたしは2chとは逆に、図書館シリーズを先に読むことをお勧めします。
愚にもつかない感想だが、「レインツリーの国」は恋愛小説だ、と思った。登場人物の耳が不自由であるということは全く気にならなくて、読む行読む単語、いろいろすべてが身に染みる。そこでそんなふうに言ってしまってはいけないのに!とか、よっしゃそこでそうすればハッピーエンドが待っている!とか。しかしまあ、そう感じるのは、わたしが恋愛小説というものに慣れていないからかもしれない。
文章で説明される第三者には、恋人同士の気持ちが分かってしまう。だから安心して文章を楽しめる、読むことにだけ没頭できる。本当は好き合っているのにうまくいかないもどかしさを楽しんだり、自分が過去にやっちまった失敗を思い出して重ねて恥ずかしくなったり。リアルではそうはいきませんね。恋愛ごとに限らず、相手の気持ちは推測でしかない。例え「好き」と言ってもらえても、本当だろうかと疑うことだってあるだろう。
耳が不自由であることは特別だ。目や耳や何かが不自由ならば、他人の気持ちを理解する手がかりが一つ少なくなる。わたしがこの作品を読むにあたって、そういう特別な境遇をあまり気にせず、ただ「恋愛は相手の心が分からなくなりがちだからしんどいなあ、しんどいけれど楽しいなあ」とだけ感じたのは、どうしてだろう? 耳が不自由な人が耳が不自由であることを慮らずに、単純に恋愛小説として楽しめたと思ってしまうだけのわたしに、差別意識の芽が無いと言えるのかどうか。
アニメが毎週面白いので、小説版も買ってしまいました。文庫だと勘違いしていたので、本屋でなかなか探し当てられず苦労しましたが、新書ノベルズのコーナーに置いてあるのをようやく発見。「トクマ・ノベルズEdge」というレーベルからの出版で、お店によっては、もしかして子供向け新書コーナーにあるのかも。
アニメを楽しみにしている方にもぜひおすすめしたい1冊ですが、実際に読むのは、アニメが全話放映完了してからのほうがいいかもしれません。著者である宮村優子さんの、三番目のユウコ通信には、
第1巻を読まれてもアニメ版のネタバレになることはないと思いますが、違いもふくめて、アニメ版をよりよく楽しむためのガイドブックになれればよいな、と…。
とありますが、個人的な感想としてはネタバレな部分もあるかもしれない。というのは、後述しますが、小説版では世界観が詳しく理解できてしまうからです。アニメ版の独特の空気が好きならば、小説で先に知識を得てしまうのは不本意でしょう。
しかし、上記サイトにはまた、
今後、第2巻、3巻…とアニメ版を踏襲しつつも、こちらはまた新しいキャラクターを登場させながら独自の物語を展開させてゆく予定ですので、以後長いおつきあいのほど、よろしくお願いいたします!
と書かれています。また、小説奥付には、TVアニメーション『電脳コイル』とは、世界観・キャラクターその他設定の異なる別作品として成立したものです
、ともあります。
基本的な背景は同一でありながら、言葉が主体になるとこんなにも切り取り方が違うのか。少なくともわたしにはそのように楽しめました。
初見の人への不親切さ具合は、アニメ版に勝るとも劣りません。とはいえ、不親切ポイントはアニメ版とは少し違います。小説版では、専門用語やその背景などが丁寧に説明されています。電脳メガネとは何か、どのように子供に使われているのか、なぜ子供に大流行なのか。
では、わたしは何を不親切ポイントだと感じたのか。それは一言で、登場人物の心象の謎さ加減につきます。話は目まぐるしく移り変わり、人称も目まぐるしく移り変わる。登場人物がなぜそのような行動を取るのか、人物同士は通じ合っているのに、それがわたしに響いてこない。
しかし、そうした構成は理解の妨げになるわけではありません。むしろ、2巻以降できっといろいろな謎が明らかになるんだろうなあと、楽しみにさせる展開の仕方です。
以前も何度か「戯言シリーズ」について書きましたが、あの作品では、物語の主眼は謎を明らかにすることにはありませんでした。「電脳コイル」は、読み終えたときにきっとヤサコやイサコの気持ちが理解できるんだろうなあと、そういう書き方がされています。ていうか、これで裏切られたらちょうガッカリする。
また、特筆すべきは台詞の鋭さ。あー、本当はこの部分を一番言いたくてこの文章を書き始めたのに。ネタバレせずにその素晴らしさを伝えるのは、難しいなあ。
調べてみると、宮村さんはもともと脚本家で、この「電脳コイル」が初の長編小説なのだそうです。「六番目の小夜子」「どっちがどっち!」「ゆうれい貸します」なんかは見てた見てた。脚本と小説とでは書き方や発想も違うのだろうとは推測できますが、脚本家ならではの台詞の美しさがここに現れているんだろうなあと納得しました。
それと相反して、映像や音楽の後ろ盾がなく台詞と地の文だけで世界を描いていくことに、慣れていなさそうな危うさは感じました。上述した人物の行動の不可解さも、ここに理由があるのだろうと思います。
実はこの1巻は5月に発売されていて、第2巻は7月に発売予定なのだそうです。続きを長いこと待たずに済むのはちょうどよかった。今後も続刊が楽しみです。